マーチン 塗り込みピックガードの交換

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 現行品のマーチンのピックガードはほぼ全て塩ビ材、もしくはアクリル系の樹脂、はたまた何かしらのプラスティック系素材を使用していますが、オールドマーチンに使用されていたのはセルロイドでした。しかもフィニッシュ前にトップ板に接着されていた為、塗り込みピックガード等と呼ばれています。

 このセルロイド製ピックガード、表面に塗られたラッカーの収縮もありますが素材自体の収縮もあって、めくれ上がって剥がれてきます。この時、木目に沿っている位置ではトップの板を一緒に引っぱりあげて割れを起してしまう事もあります。

 このトップ割れを俗に ”マーチンクラック” と呼び、画像のAとBの位置に起こります。この割れを直すには引っぱられた部分を元に戻す為、ある程度ピックガードを剥がしてやるのですが、再接着した時にピックガード表面に跡が残ってしまったり、反っている為に元の位置に戻らなかったりします。

 こういう時にはピックガードを、反らない縮まない素材で作り直してやります。

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 ピックガードを剥がすとめくれたトップ板も戻しやすくなります。ここにまた、反っているもしくは反る可能性のある古いピックガードを再び貼る事は正直お勧めしません。サイズも合わなくなってますし。

 かと言って素材を切り出しただけのピックガードを貼る様な安易な方法もいかがな物かと思います。最終的には所有者の判断によるのですが、選択肢のひとつとして塩ビ素材(反りません、縮みません)にラッカーのトップコートを施す事で、元の外観に近い雰囲気を出す方法もあります。

 こんな風に↓ (違うギターですが、仕上がりの1例です)

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 この画像は以前ブログで紹介したのと同じですが、よかったらそちらもご覧下さい。

 左は交換する必要の無いオリジナルのピックガード。表面にトップコートがのっているので鏡面というにはペタっとした質感になっています。 

 右が作成した塩ビのピックガード。縁の部分の雰囲気に気を遣っています。若干ですが、飴色ががったクリアを吹いてますので、色見もただの黒ではありません。ピカピカではなく程よくエイジングされた状態に仕上げます。


 仕様と加工料金 注:割れの修整は含まれておりません。別途見積もりになります。

  0.5mm 黒 塩ビ板使用  ラッカーフィニッシュ・・・・¥17,280(税込み)べっ甲柄など違う素材使用は¥2,160 UP

  納期・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・約3週間

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